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76歳の母が「軍手」を買った理由。逆さ槍の奇跡と、確信の雲海【槍ヶ岳登山 2日目前半】

槍沢ロッヂでのお風呂のおかげか、珍しく熟睡できた二日目の朝。 5時38分、私たちは薄暗い静寂の中を出発しました。天気予報は「午後から雨」。 でも、その予報が、私たち親子にひとつの「奇跡」を見せてくれることになったのです。1. 燃え上がるよう...
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「いつか」を「今」に変えて。76歳の母と歩く、槍ヶ岳への静かなる序曲【槍ヶ岳登山 1日目】

10月中旬の上高地の朝は、冷たく、そして熱気にあふれていました。前日の台風騒動が嘘のように、沢渡バスターミナルには長蛇の列。4時半の時点で、すでに多くの人が「山」を待ちわびていました。私の胸には、まだ小さな不安が残っている。けれど母は、いつ...
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台風接近!?それでも憧れの槍ヶ岳へ。前夜に抱えた不安と決意【槍ヶ岳登山 前日記】

ずっと遠くから眺めていた槍ヶ岳。怖い。でも、どうしても惹かれる。あの天を突く穂先に、いつか立ってみたい。今回の旅は、母のひと言から始まりました。「ヒュッテ大槍の夕ご飯、食べてみたいな」そこから計画は少しずつ膨らみ、最終的には槍ヶ岳山荘宿泊、...
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【黒部源流域 山旅5日目完結編】76歳の母と目指した北アルプスの最奥。下山した私たちが手にした「宝物」

1. 一人で歩き出した朝、母のいない山道で思ったこと最終日の朝は、4時45分に始まった。太郎平小屋から、薬師岳へ。今日は母と別行動だ。薬師岳は私が一人で登り、太郎平小屋に戻ってから、母と合流して折立へ下山する。外は真っ暗で、これまで当たり前...
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【黒部源流域 山旅4日目】一緒に歩くとは、信じ合うこと

1. 覚悟の雨音、水玉模様の出発4時起床。屋根を叩く雨音は、昨日よりも激しさを増していた。朝食を食べながら、母と今日の動きを確認する。外は強い雨だが、二人の心は決まっていた。「少し雨が落ち着いたら、行こう」5時42分、私たちは雨の中へ踏み出...
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【黒部源流域 山旅3日目】一瞬の御来光と、猛烈なスコール。北アルプスの洗礼を受けた日

1. 静寂のパッキングと、回復の朝3日目の朝、3時45分。 幸いにも昨夜の頭痛は消えていた。山小屋の朝は、物音ひとつ立てないのがマナーだ。 枕元に置いておいた服に静かに着替え、パッキング済みの荷物を抱えて談話室へ移動する。日焼け止めを塗り、...
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【黒部源流域 山旅2日目】35年前の記憶と、北アルプス最奥地雲ノ平へ

1.  午前4時半。ランプの光が紡ぐ「静かなる自信」昨日、太郎平小屋で交わした登山者たちとの会話の余韻を胸に、3時半に起床。朝食は持参したパンで手早く済ませる。外はまだ深い闇だ。4時半、ヘッドランプの光を頼りに出発。光の輪の外は一歩先も見え...
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【黒部源流域 山旅1日目】母と歩く、黒部源流50kmの旅。雨上がりの出会いと、頼もしい背中

1. 思っていたより、よく眠れた朝初めての母との車中泊。私は運転席を倒して眠りについた。正直、あまり眠れないかもしれないと思っていた。けれど目を覚ますと、意外なほど体は軽かった。後ろを見ると、母はもう起きていて、後部座席のシートを倒した簡易...
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76歳の母と歩いた黒部源流 ―― 記憶に深く刻まれた夏の旅【序章】

1.下山後、山旅を終えて富山市へ向かった夜雨に打たれ続け、五日間ほとんど体も洗っていない。長い山旅を終えたその夜、私たちは土砂降りの雨の中、富山県・折立の登山口からアパホテル富山ステイへと車を走らせていた。後部座席には、76歳の母。疲れてい...
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76歳の母と、正月の竜ヶ岳へ― ダイヤモンド富士を見に行った、静かな山旅 ―

1|「私も行きたい」の一言から始まった2026年1月3日。正月の竜ヶ岳で、ダイヤモンド富士を見る。そう決めたのは、年末が少し見えてきた頃のことだった。「正月にダイヤモンド富士を見に行こうと思ってる」そう話した数日後、母がぽつりと「私も行きた...